2013.07.16 Tuesday

高校生の模試〜英語について 2

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     前回からの続きです。

    高校生の模試については、熟語、文法、構文などについては、誰が言い始めたのか動名詞を目的語にとるメガフェプスなる有名な動詞群の覚え方がありますが、萩高生で今までウチに来た生徒で前もって知っていた生徒はいませんでした。

    高校生に授業で覚えさせて、学校で友人にメガフェプスを知ってるか訊いてみてもらうと知らないとの事・・・(萩高生全員ではないと思いますが、圧倒的に知らない子が多いようです)

    ウチでは中2の後半から中3にかけて萩高に進学する子には説明しています(もちろん中学英語で出るのはenjoy,finish,stopだけなのでそれ以外は忘れてしまうでしょうが高校で覚えさせる時に中学で以前説明されたという事が有利に働くハズです)

    ホントに文法問題でよく出るのにホントに知らない子が多いんです。

    動名詞は動詞を名詞にするものですが不定詞にも名詞的用法が有り、普通の文章ではどちらを使用しても構わないのですが、メガフェプスの後は動名詞しかとらないというルールが有ります。

    多分、名詞が目的語になれるという前提の知識が曖昧なんでしょうが、これは覚えてないと使えないものです。

    テストの問題としては

    I finished (            ) TV. 〜 私は TV を 見終わりました。 

    選択肢として 1.watch  2.to watch    3.watching    4. has watching 

    という様な問題が出題されます。

    日本語訳『見終わった』 を〜『見る事を 終った』 と考えれば不定詞の名詞的用法の2番か動名詞の3番の可能性が残ります。

    もし使役動詞や知覚動詞であれば原形不定詞の1番なのですが動詞のfinishには当てはまりません。

    4番は完了形にしているのにwatchingと現在分詞が入っていて文法的にもメチャクチャなので選べません。 

    動詞の Finishはメガフェプスの仲間なので動名詞が続きます。よって3番のwatchingが正解になる訳です。

    これは知ってるかどうかだけの問題です、悩む必要も無いし時間をかける問題では有りません。
    しかし知らない子は1〜4までを解答を入れてみて、どれが1番しっくり来るか何度か読んで勘で解答を出すのだと思います。(これでは時間も掛かり後半の長文の読解に時間が使えません)

    他にも、先ほど少し触れた使役動詞と知覚動詞は不定詞が来る場合は原形不定詞(toのない不定詞)が来るという事です。 現在分詞や過去分詞が来る場合も有るので文章の意味も考えながら判断しなくてはいけませんが・・・

    それでは例題です

    I made him (     ) 〜私は 彼を 走らせた 

    ここはmadeが使役動詞なので、原形不定詞の run が入る訳です。

    普通は不定詞が入る文なのに、使役動詞や知覚動詞だから原形になっている訳です、前提条件として 
    I wanted you to run.  
     
    のようにwant,ask,tell,advise等の動詞の場合、後ろには不定詞のto run が入る事を知っていないといけない訳ですが、それが曖昧だとなぜ使役動詞と知覚動詞の文に原形不定詞が入るという事がポイントなのか?という事に気付けないのです。

    そして更に

    I had my car (      )  ~ 私は 車を 洗わせた 『洗って もらった』 でも可

    この場合 選択肢に wash が有っても選んではいけません! えっ、haveは使役動詞だから原形不定詞じゃないの?と思ってはいけません。

    車はそれ自身では洗いません、車は『洗われる』モノなので、ここでは受け身の意味を作る過去分詞の washed が正解です。

    更に 使役動詞の受け身の場合

    I was made (        )  〜私は 走ら させられた。 

    させられたという 意味から 原形不定詞の run を選びたくなる訳なんですが、受け身になった時点でこの文章はBe動詞の文になっているので、普通の不定詞の to run が正解です。

    文法書などでは使役動詞は受動態ではto 不定詞を使うという事で覚えさせていますが、受け身になった時点でこの文はBe動詞の文であり使役動詞の文ではないのです。

    さてここで日本語訳から英語の文法事項を判断する事が大事になってくるのですが

    『走らさせられた』の動詞はどれですか? 
    と聞くと 『走る』のrun です!と答えると間違いなのです。

    これは 走るコト を させられた と訳し直すと

     走るコト= to run(不定詞)

     させられた= させる(使役) + られる(受け身) + た(過去)

     まとめると 過去の使役動詞の受け身形でto不定詞を使用する事が判断出来なくてはいけません。

    I  was  made  to run.  〜私は 走ら させられた。 
     (使役動詞makeの過去形の受動態+to run)

    こういう事です。
    使役動詞は原形不定詞を使うという知識を知っているだけでは少し問題の形が変わっただけで対応出来なくなります。

    高校レベルは知識と判断が両方とも正確でないと正解は出来ません。

    知識は各自で頑張って蓄積して下さい!もちろん授業でも知識は確認しますが基本事項を覚えるのは家で勉強するなど自分の時間を使用して下さい。
    授業の時間はその知識を問題でどのように判断するかの練習と解説に費やしたいのですが、萩高生の授業はなかなか理想と現実が近づいてくれません。

    高校1年生の英語は、文法事項は時制から本格的に始まると思うのですが、その前にある品詞や文の要素、基本5文型、自動詞と他動詞、この辺の授業時間、練習量が不足しているようです。

    品詞(名詞、動詞、形容詞、副詞など)と文の要素(S,V,O,C,主語、動詞、目的語、補語)は違った観点からの仕分け方なのですが、混同しているもしくは違いがわからない生徒が多いようです。

    SVOCの判断と構文の知識が無いと長文の読解は大変になってきます。(もちろん単語と熟語は知っているという前提でですが・・・)

    このSVOCの文型判断は実は中2の1学期の時点で5文型が全て出終っていますので、中2の夏休み以降それぞれの文型の違いを確認させる事もできるはずなのですが、そういう事をしていないと高校でつまずく原因になってしまいます。

    中学英語は去年の教科書改訂で文法事項を増やして前面に出すようになって来たのですが、実際の授業や定期テストでその部分が出て来なければ生徒は理解出来ないので、文法事項の解説と確認をしっかりとしていく必要が有ります。

    本文をそのままテストに出すしかないくらい中学の教科書は内容が薄いので(本文と違う文章を作ろうと思っても中学のレベルで使用出来る単語数、文法事項、構文が限られているので独自の文章は作り辛い)結局生徒は教科書の文法事項を理解せず丸覚えをするようになって本来の英語の力とは違うものを身につけてしまっているように思います。

    以前ウチでも教科書準拠ではない標準タイプの英語ワークを持たせたことがありますが(内容はそれ程難しい訳ではないのですが、考えさせる良い問題が多くこれを仕上げたら生徒の力がつくだろうという事で導入したのですが・・・)教科書内容と違うという事でなかなか生徒がワークについて来れない、学校のテストに直結している訳ではないという事で結局教科書内容のワークと併用で標準版のワークは半分ぐらいしか済ませる事が出来ませんでした。

    長い目で見ると標準版のワークが実力を着ける為には絶対に良いのですが、定期テストという視点で見ると準拠版を使用する必要が有るので、現在は教科書準拠ワークを使用しながら足りない部分や教科書の内容以上の文法事項や知識は板書で解説し問題を出して確認するようにしています。

    中3と高校1年をスムーズにつないでいけるように中3の授業を高校を意識したものにしていく必要が有ります。

    例えば中3英語は最後の最後で関係代名詞が出てきますが入試が近づいている時期のせいかあまり確認しないまま高校に入学しているように思います。

    しかも場合によって使い分ける程度の説明で関係代名詞が格変化(人 who,whose,whom/モノ which,whose,which)するという事を教えていないのです。

    実は改定前の教科書からそうだったのですが、ウチでは当たり前のように格変化まで教えていたので、たまたま教科書に出ていないだけで生徒はみな知っているものと思っていたのですが、高校から入塾した生徒に確認して格変化を知らない事を知って驚きました。

    教科書には人の目的格のwhomが出て来ないのです、接触節と言って目的格を省略して接続してある文やthatで接続してある文(thatはどの文章でも基本接続出来るので試験問題としては出題されない。出て来るとすれば限定・強調の場合のthatなので普段から使うのは試験問題対策としてはあまり好ましくない)

    I know the man whom you met  at the station yesterday.
    私は あなたが 昨日 駅で 会った 男の人 を 知っています

    この文中のwhom を thatや省略して接続している文しか教科書には有りません。

    I know the man that you met  at the station yesterday.
    I know the man         you met  at the station yesterday.

    この2つの文は出ているのです。

    ここまでやってるならwhomを教えても良いと思うのですが・・・何故なんでしょうか?

    モノの目的格のwhichは出てくるのですが、主格もwhichなので違いが解って使い分けている子はそんなに多くないのではないでしょうか。

    関係代名詞は普通に2つの文を接続するタイプは良いのですが、主節の主語を説明する為の関係詞節が間に入っているタイプの理解が毎年説明していますが難しいようです。

       The man is my father.       You met him at the hospital.
     
    これをThe man is my father whom you met         at the hospital.
    とすると『その男の人は あなたが 病院で 会った 私の 父です』という意味になり病院で会った以外の父がいるようにも訳せるのでいけないのです。

    間に後ろの文を差し込んで
    The man  (whom you met    at the hospital )  is my father.  
    あなたが 病院で 会った  )男の人は 私の 父です』 と訳す方が自然ですね。

    わかり易いように( )で間に入った後ろの文を囲んでいます、また関係代名詞として位置が変化したものは元の位置の部分を空けています。 

    あまり授業みたいな事を書いても仕方ないのでここまでにしますが 、高校で困らないよう文法事項の知識と判断力を身につける為の問題を中学のうちからしておく必要が有ると思います。




    2013.07.09 Tuesday

    高校生の模試〜英語について

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      萩高生は先週土曜日1〜3年生一斉に模試が有りました。

      英語は選択肢を選ぶ問題も多かったのですが、数学は筆記形式でしたのでマーク模試のように勘で選んで正解するという事も無いので、厳しい結果になっていると思います。

      本当の実力が無いと点が取れないのが筆記模試です。
      内容もマーク模試はセンター試験を想定して作成してあり、筆記模試は国公立の2次試験を想定して作ってあると思うので現段階で40〜50点取れれば良しと考える事も出来ます。

      今回も各教科、平均点が30〜40点の間になりそうですね(もしかすると20点代も有り得るかも・・・)

      こうなると、テスト中の比較的簡単な問題を落としてしまうと点を取るところが無くなってしまいます。

      比較的簡単な問題と言っても基礎がしっかりしていない子は正解出来ない問題なので(マーク模試なら、何となく理解している子でも4択なので正解してしまう事が多いが筆記はそうはいきません)中間層から下は点が取れない、そして一方で上位層は実力に応じて点を取ってくるので、ハッキリと現時点での力の差が出るテストになっています。

      学年によって自己採点している子としていない子がいますが授業で確認すると問題で問われている英語の知識を知らないという事に毎回驚きます。

      普段の定期テストで文法や構文の知識が入っているはずなのですが、それが模試の問題を解く為の知識に繋がっていないのが残念です。

      長文問題の読解は毎回問題ごとに読んで解いていかなくてはいけませんが、熟語や文法、構文に関しては問題に一部変化は有るものの質問されている部分は毎回同じパターンです(高校生ですから確かにそのパターンは多いのですが・・・)そこは知っていれば時間もかからないし正解しか選べないのですが、テストごとに毎回勘で解いている様な生徒が多いのが気になります。

      それでは知識の蓄積は望めず悪循環に陥っているように見えます。

      テストでは何に気付いて欲しいかという問題の意図を見抜く事と選択肢の単語を見て必ず1つは正解と迷う様な単語が入っているので正解とその迷っている単語の違いは何なのか?同じ様な意味でも使い方が違ったり不定詞と動名詞の使い分けが有りその形には当てはまらない等の知識を聞かれているはずなのでそこに気付く事が出来るか?
      要するに知識+判断の正確さを問われているのです。

      知識が足りなければ正確な判断は出来ませんし、知識は有っても問題でその知識をどのように使うのかの判断が出来なければ正解には到達出来ません。
      知識+判断を養うには問題を解くときに注意しておく事と自己採点の解答の時に解説で確認していかないと身に付きません。

      そういった意味で勉強量が不足しているのではないかと思います。
      新しい部分や問題をどんどんやるのも大切ですが、やった部分を繰り返してしっかり仕上げる(どうしても理解が出来ない部分は切り捨てても構いません)そして繰り返す中でこういう問題にはどの知識を使うのかという判断の練習が必要です。
      そこがまだ出来ていない生徒が多いようです。(繰り返して答えを覚えなさいと言っている訳ではなく、問題のどの部分を見てどう判断するかという事を確認する為です)

      塾での授業で時折、大事な部分は同じテストを2〜3回することがありますが全てを授業で繰り返して行うと授業進度が遅くなり間に合わなくなりますので、繰り返しての確認は基本的に各自でするように言ってありますがそこの認識が甘いようです。

      中学までは家でそんなに勉強しなくても塾と学校でしっかり授業を受けていれば何とかなる事も多いのですが、高校生になると自宅学習の質と量が大切になってきます。

      これは本人たちが心から実感しないとこちらがいくら言っても変わらない事が多いです。

      中学までは出来ていた子が高校では勉強に意欲がわかないという状態は残念に思います。

      英語に関して言えば中学レベルと高校レベルの段差をつなぐ教材と授業が必要だと思っています。

      何しろ中学は少ない教科書のページ数から、決まった単語、熟語、表現、文法事項がテストとして問われます。
      英語が得意とか苦手という前に、しっかり勉強量さえ確保すれば一定の結果が出せます。

      一方、高校英語は広大な範囲から出題されますので内容についていけない子が出てきます。
      教科書は大事ですが教科書だけ覚えたからと言って応用出来る判断力を身につけさせないと模試などは歯が立たないのです。

      中学のときの教科書範囲を丸覚えするというのは初歩の段階では絶対的に大事な事ですが、ある時期から本人たちのレベルに合わせて教科書とは違った内容(文法事項や熟語)を入れていく必要が有ると思います。

      これは長くなるのでまた次の機会に書こうと思います。
      2013.07.05 Friday

      2013年07月04日のつぶやき

      0
        22:59
        東中1年生の期末テスト、クラス平均 5教科で25点程落としています。 指導している英語と数学の点は同じもしくは少し上がっているのですが、国語が20点以上下がっている子が多くいました。
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